日本酒の豆知識

北海道産
3種の酒造好適米

1998年(平成10年)「初雫(はつしずく)」の作付け以来、現在、北海道では「吟風」「彗星」「きたしずく」3種類の酒米が道内各地で栽培されています。酒米はタンパク値が低いほど高品質であり、北海道の酒米は府県産に劣らないタンパク値の低さを誇っており、近年では、道内のみならず全国でも北海道の酒米を好んで使用する酒蔵が年々増加しファンを集めています。

  • 北海道産米が広がるきっかけとなった品種
  • 心白※1が大きくはっきりとした見た目
  • 芳醇な香りの酒が醸される
※1
米の中心部にある、白く不透明な部分。でんぷんの細胞が粗く連なった構造となっており、①麹菌が繁殖しやすい ②吸水率が良い ③醪の中で溶けやすい…などの理由から、これが大きいほど優良な酒米とされる。
  • タンパク質含有量が低い
  • 千粒重※2が重く大粒、吸収性が高い
  • 淡麗な味わいの酒が醸される
※2
農作物の品質を決める指標の一つ。無作為に選んだ1,000粒の殻粒の重さを測定する。 主食用米の平均は20~25gなのに対し、それよりも大きい酒米は28g前後にもなる。
  • 心白発現の良さ、収量の多さを兼ね備える
  • 耐冷性が高く、安定生産が可能
  • 雑味が少なく柔らかい味の酒が醸される

酒造好適米(酒米)とは

清酒造りに適したお米は、主食用米とはまた違った要素が求められます。

まずタンパク質の含有量が少ないことが条件です。お米の主成分は炭水化物ですが、このほかにタンパク質成分が含まれます。

タンパク質成分は、主としてお米の外側部分に含まれ、苦味、えぐみといった清酒の雑味成分の原因となります。

酒造好適米は、この蛋白成分の多い外側を削る精米作業からして、大きい粒が適しているのです。また、心白という素質も必要です。心白は米の芯にある白濁部分で、主食用米にはありません。心白部分は柔らかく、麹菌が繁殖するのに適した場所となります。